実績

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2024年7月30日

排水機場による床上浸水対策

1 地蔵川排水機場設計業務の概要

(1)業務概要

平成23年9月の台風5号等により一級水系庄内川の八田川及び地蔵川沿川で発生した浸水被害に対し、床上浸水被害の解消を目的として、排水機場の予備・詳細設計及び排水樋管や護岸等の詳細設計と測量調査を実施しました。

左:【建設直後の様子(一部工事中)】

(2)地蔵川排水機場 設備諸元

排水機場の設備諸元を下記に示します。排水量は現在25m3/sですが、将来45m3/sに増強することができます。

(3)図面

2 技術的特徴等

●計画地盤高

排水機場内の計画地盤高は過去の洪水においても浸水しないT.P.13.50mに嵩上げしています。
本川庄内川の計画規模の氾濫水位にも配慮し、1階は防水扉を採用し、開口部は氾濫水位以上に、電気室は2階に設置して外水氾濫時にも排水機能が停止しないよう配慮しました。

●平面配置

大口径下水道管の真上に機場が配置されていた計画であったため、影響がないように平面配置を変更しました。

●ポンプ形式

ポンプ形式は、高Ns・高流速ポンプを採用し、吸水槽形式をクローズ形にして高速流化を図りました。

●水位条件

地蔵川は、住宅地が密集した春日井市西部を流下する都市型河川のため、急激に水位が上昇する特徴があり、現況河床高T.P.+7.70mから1.20mの水位となった時に1台目のポンプを起動し、その後水位に応じて残りのポンプが段階的に起動します。各ポンプの運転水位は、排水機場運転シミュレーション(氾濫解析)を実施しH23.9洪水に対し、床上浸水の解消を図ることが可能な水位で設定しています。

●監視操作制御設備

地蔵川では洪水時の水位上昇が早く、操作員による操作遅れが懸念されたため、“自動起動化”し、操作員が到着次第、機側(機場集中)操作に切り替えを行う運用としてリスク軽減を図りました。

●騒音対策

騒音に対しては、騒音解析を実施し規制値を超えることが確認されたため、規制値以下となるように対策工を講じました。

●施工計画及び仮設構造物設計

未買収地の取得予定を踏まえ、仮設土留先行施工や機場を2期に分けて施工する分割施工等の工夫をし、事業計画期間内に完了する工事工程を立案し、施工計画や仮設備設計を実施しました。
このため、上屋についても1期・2期の段階施工における構造安全性の検証を行いました。

●協議資料作成

円滑な事業推進のため、完成後のイメージパースを作成し、発注者はもとより、関係機関や地元協議資料に活用しました。

【イメージパース(完成予想)】

3 業務実績

排水機場や樋管、氾濫解析および関連する業務について、多数の実績有り。
過去の業務経験等を活かし、納得いただける成果をご提供致します。

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