実績

sewer

2005年6月14日

水道施設の劣化調査・耐震診断・補修設計

水道施設については,(1)昭和30~40年代に急速に整備された施設が一斉に老朽化していること,(2)現在の耐震基準に対する施設の安全性の評価等の課題に対して,劣化調査・耐震診断をできるだけ早期に調査し,適確な時期に現在の構造性能を踏まえた補修・補強対策をすることが望まれます。 弊社は、ここに紹介します劣化調査・補修設計の業務をはじめ、これまでの同種業務の経験を活かしながら水道施設の更新のお手伝いをいたします。

写真1 タンク内の腐食状況

1.補修・補強工法の提案

補修・補強方法については,各施設に対して復旧の目標性能を設定し,構造性,解体工法を考慮した施工性,付属設備を含めたライフサイクルコスト等に配慮し,最適な構造を提案を致します。

図1 劣化構造物の補修・補強の概念図

図 1 劣化構造物の補修・補強の概念図

2.調査・設計の手順

新履歴が工法及び施工時期の選定の重要な要素となります。 補修・補強工法検討の基本的な手順は下図のとおりです。竣工時から現在までの補修・補強等の更新履歴が工法及び施工時期の選定の重要な要素となります。

3.補修・補強設計事例

  • PCタンク配水池補修実施設計業務

●構造概要(昭和42年築造)

水深H= 6.10m(円筒形 PCコンクリート製) 内径 φ29.20m 有効容量:4,000 m

●主な設計内容

劣化調査: ドーム屋根内面のコンクリート剥落及び鉄筋腐食,側壁横締めPC鋼材の腐食が確認され,側壁内面は健全なコンクリートと判定されました。
対策工法: 屋根については,補修,※1案 改築(鉄筋防食・被覆コンクリートの打設)と改築※3(従来式ドーム工法・エアドーム工法・アルミドーム工法で比較)についてLCC※4を踏まえた比較検討を行い,改築※3案(エアドーム工法)を採用しました。特に,本設計箇所は敷地が狭いため現場に合わせた解体工法の検討に配慮しました。
側壁は,補強※2対策としてPC鋼材の防錆処置と現在の側壁外側に新たにコンクリート壁を増打ちする補強※2工法を採用しました。
仮設計画: 本配水池の給水エリアについて,一時的にも他の配水系統から給水が困難な戸数を把握し,給水人口・給水量の設定,仮設時給水計画の検討を行いました。
概算工事費: 1億円(直接工事費,場内整備・仮設給排水は別途)                          

写真2 配水池全景

  • 浄水場強制沈殿池劣化調査業務

●調査対象施設(昭和37年築造)

  • 強制沈殿池 2池:(内径23.0m~17.0m)
  • 急速混和槽 1池:(内径6.0m)

●主な調査内容

劣化調査 : 外観調査,コンクリート強度試験,中性化試験,鉄筋腐食度調査及び機器設備劣化調査を行い,劣化状況の判定を行いました。
耐震構造診断: 現行の基準を基に耐震構造計算を行った結果,混和槽で補強※2が必要となりました。
処理能力評価: 強制沈殿池1池当たりの処理能力評価のための実験を現施設にて実施しました。
対策工検討 : 劣化調査結果,耐震構造診断結果,処理能力評価結果より,現況施設の補修※1・補強※2案と改築案※3(横流式沈殿池新設)についてLCC※4(耐用 年数60年間)を踏まえた比較検討を行い,最も有利な改築案※3採用しました。
※1 補修;劣化防止・修復対策を施す。※2 補強;構造物の強度不足を補う。※3 改築;造り替える。
※4 Life Cycle Cost (ライフサイクルコスト) ;土木構造物の築造から取壊までに掛かる費用

写真3 強制沈殿池全景

写真4 鉄筋腐食度調査

4.関連業務実績

  • 福島県内 浄水場強制沈殿池劣化調査業務(平成16年3月)
  • 福島県内 PCタンク配水池補修実施設計業務(平成16年3月)

採用情報

やるべき事がここにある
本気で行くぞ。

採用情報を見る