実績
sewer
上・下水道
新設及び既存施設を有効利用した雨水貯留計画
キーワード
わが国では、長年に渡り下水道整備事業が実施されており、H15年3月時点における全国平均の整備率は65.2%となっています。しかしながら、集中豪雨等により都市の内水被害が発生しています。
原因の一つとしては、都市化が進むことにより、流出先の河道整備等による浸水被害防止がなかなか思うように進められないことが挙げられます。
このような現状から、平成16年5月15日付で「特定都市河川浸水被害対策法」が施行されました。
この法律の中では、これからの時代の流域管理は、河川管理者や下水道事業者などの流域関係者が連携して、流域単位での管理を実施していくことが求められています。
また、対策施設の建設等のハード面のみでなく、既存施設を雨天時に効率的・効果的に活用する手法の確立等のソフト面も求められています.
当社では、ここに紹介する雨水貯留手法を取り入れた計画業務を手がけており、今までの経験を生かしながら、内水被害対策の策定をお手伝い致します。
1. 雨水貯留とは
雨水貯留を一言でいえば「雨水流出のタイミングを遅らせる」ことであります。
その雨水流出量の調整は「オリフィス」により断面を絞ることにより行います。
次に、当社で実施した計画の一例を紹介します。
この例では、区域内の新設及び既設雨水幹線を、雨水貯留施設として利用を提案させていただきました。
当該区域は、開発事業に伴い貯留施設の設置義務が生ずることに加え、流出先河川が未改修にも拘わらず、開発により流域面積が増加し、雨水流出量が増大するという問題を抱えていました。
そこで、区域内の計画雨水幹線を断面拡大することにより貯留施設(貯留管)へ計画変更することを提案させていただきました。
また、流出先の既設幹線は先行投資で整備されたものの、流出先河川が未改修であるために利用されていませんでした。
今回ではこれを雨水貯留施設として利用し、計画幹線からの排水をさらに貯留するという2段構えにより流出抑制を行う方式を併せて提案させていただきました。
2.新設幹線 → 雨水貯留施設への計画変更
3 既設幹線 → 雨水貯留施設として有効利用
■流出量の時間的変化(結果的に64%を調節出来ました)
4.関連業務実績 (主に下水道事業)
- 市街地再開発に伴う雨水貯留施設の基本設計及び実施設計(H12,H13)
- 駅前再開発事業に伴う雨水貯留計画の策定(H12)(←前の「2」、「3」で示した実績でございます。)
- 浸水対策としての雨水貯留施設の実施設計(H10)
- 雨水多目的調整池設置工事に伴う計画設計委託(H8~10)
- 雨水シールド幹線下水道整備工事設計(雨水貯留管の設計 H2)
- 流域貯留浸透施設マニュアル(案)作成委託(H1)
他、流域貯留浸透事業としての公園・学校貯留(オンサイト貯留方式)の実績もございます。