実績

rivers

2012年5月25日

流域貯留施設(調整池)設計について

1.設計概要

本施設は、流域貯留施設として、某中学校において調整池の実施設計を行ったものです。貯留方式は、学校関係者との協議により、グラウンドの占用率や放流先水路の敷高等を整理した結果、貯留容量に限界があったためオンサイト貯留としました。また構造型式としては、同学校のグラウンドが、災害時の避難場所として指定されていたことから、表面貯留型ではなく地下貯留型を採用しました。必要調節容量は、厳密解法により算定した結果、約1000m3規模とし、貯留材については経済性,施工性に優れた樹脂製貯留材を採用しました。

  • 必要調節容量: V=1000m3/s程度
  • 調整池寸法: 幅25m×長72m×0.6m

(写真-1 貯留ブロック組立作業時)| (写真-2 保護シート布設時)

2.技術的特徴

(1)既設水路の流用によるコスト縮減提案

本学校の敷地内には、既往の排水路が多く設置されていたため、これらを最大限に流用した排水計画を行うことにより、コスト縮減及び工期短縮の効果を得ることができました。

(2)学校利用と環境を考慮した設計

本調整池は、学校のグラウンドの地下に埋設することから、施工時のグラウンド利用や完成後のグラウンド排水に配慮することが重要と考えました。このため配置計画では、施工時でもグラウンド全体の1/3以上を最低限利用できる配置とするとともに、グラウンド排水では、現況比悪化とならないよう、現地表土の流用や、現地状況によっては排水性を向上させる表面処理案を提案し採用されました。

(3)総合的評価による貯留材の選定

本施設で採用したプラスチック貯留材は、現時点では多数の製品が協会認定されています。通常は、各製品の機能、経済性、施工性等を考慮して評価しますが、耐震性については、製品の認定機関が複数あり、その評価レベルも異なっています。このため、耐震評価の内容を詳細に分析することで、より優れた製品を総合的に評価し選定しました。

4.その他の関連業務

河道計画検討、浸水ハザードマップ、築堤・護岸設計、水門・樋管設計等

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